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躍進する電子マネー①

ニ○○八年はパスモ、ナナコ、ワオンといった大型電子マネーが本格的に普及し始めた年で、「電子マネー利用元年」といわれる。たしかに毎日の暮らしの中で電子マネーが利用されるシーンをよくみかけるようになった。とくに夏以降、ほとんどのコンビニで利用できるようになり、店内のレジでは電子マネーで支払う人が増えた。主なタクシー会社でも電子マネーの導入を始めているため、現金やクレジットカードに代わって電子マネーを使う人が増えている。いよいよ電子マネー時代の始まりである。

電子マネーの市場規模は年々拡大している。野村総研の『これから情報・通信市場で何か起こるのか IT市場ナビゲーター2008年版』によると、非接触ICのポストペイとプリペイドを合わせて二〇〇七年度には八千四百四十四億円の市場規模だったが、二〇○八年度には一兆三千七百八十三億円にまで膨らみ、さらに、二〇一二年度には三兆二千六百九十五億円までに拡大すると予測している。それに伴って、私たちの生活や意識も大きく変わってきた。行動面はもちろん、意識面でも根本的な変化が起こりつつある。ここからは電子マネーの普及で生じた生活面の変化をあげてみよう。

●駅の光景を変えた交通系電子マネー
まず、スイカやパスモといった交通系電子マネーについてみると、その登場によって首都圏の駅の光景が一変した。通勤客が電子マネーをもって切符を買わずに改札をスルーするようになったために、ラッシュアワーの人波が整然と前へ進み出した。乗り換えも楽になった。首都圏では○七年三月からスイカとパスモの相互利用ができるようになったため、首都圏では手持ちのスイカー枚で、JRはもちろん私鉄、地下鉄の乗り換え、さらにはバスにも乗れるようになった。その結果、いちいち乗り換えルートを考える必要もなく、また、乗り換え運賃を気にすることなく、スイカをタッチするだけで、目的地にストレートに行けるようになった。これも大きな変化だ。

●レジでの行列をなくした買い物系電子マネー
買い物系電子マネーのエディやナナコの場合も決済時間が短くなった。昼食時はコンビニのレジの前に長い列ができたものだが、電子マネーの登場で、決済時間が二秒ほどになったので、列をつくる必要がなくなった。みな電子マネーをかざすだけでさっさと支払いを終えてしまう。電子マネー専用レジもあって、そこに並ぶと超高速で支払いができるので便利。おかけでコンビニの客の回転もよくなり売上増に貢献している。また、サイフが軽くなったという人が多い(小銭入れを使わなくなったという人もいる)。サイフ革命が起きているといってよいだろう。今までなら釣り銭用にサイフの中に一円や五円を用意していたが、その必要がなくなった。このように現金払いから電子マネーに変えることで改札通過やレジでの支払い時間を大幅に短縮することができた。キャッシュレスで釣り銭の必要もないため、便利になった。小銭入れもいらなくなった。これが行動面での最大のメリットであり、変化だと思う。