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「年会費」が儲けるポイント

そこで、各社が手を着けだしたのがビジネスモデルの転換である。上限金利引下げで生じた損害を新しいビジネスモデルで何とかカバーしようとしだしたのだ。注目したのは年会費である。これまで利用者の要望に沿うという形で、年会費を無料にしたカードがたくさんでていた。各社が競うように年会費無料カードの発行を行ってきたといっていいだろう。しかし、これは安定的な収益を自ら放棄することを意味していたのだ。カード会社の収益構造は①年会費、②加盟店手数料、③リボルビング払い・ローン金利の三つである。この限られた収益源のうち、これまでは年会費という最も安定的だった収益源を自ら見捨てていたわけだ。

その愚行にやっと気づいたカード各社は、一斉に有料カードの発行を始めた。それも一千三百十二円のレギュラーカードではなく、二万~五万円というプレミアムカードを相次いで発行しだしたのだ。同じ取るなら一気に稼いでしまおうとの狙いで、高額の年会費を設定している。たとえば、ダイナースクラブカードは年会費十万五千円のプレミアムカード(ブラックガード)を発行しているし、JCBはザ・クラス(年会費五万二千五百円)、三井住友カードもプラチナカード(年会費五万二千五百円)、さらにオーエムシーカードも招待制のゴールドカードを発行している。

三菱UFJニコスは年会費二千円という破格のゴールドカードの発行を始めた。年会費は二千円から十万円までさまざまだが、いずれも一般カードにはない、傷害保険、空港ラウンジサービス、コンシェルジュサービスなど、豊富で充実したサービスを備えているのが特色だ。これらのカードの手本になっているのがアメリカン・エキスプレス(アメックス)のセンチュリオン(ブラックカード)の成功である。