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「信用偏差値」の登場

しかし、この一本化はそれ以上の意味がある。消費者信用業界の勢力図を大きく変えるきっかけになるからだ。というのは、全国民のクレジットカードのカード返済情報がひとつの信用情報機関に集まるようになれば、個人の信用情報の優劣を付けやすくなるのだ。たとえば、Aさんは二枚のカードを使って毎月遅れもなくきちんと返済を続けているのに、Bさんは十二枚のカードをもって、三ヵ月に一度は必ず返済が遅れているといった場合、信用度が高いのはAさんの方であり、カード会社や銀行からすると、Bさんにはお金を貸したくないが、Aさんなら喜んで貸したいとなるだろう。

それをさらに進めると、偏差値のようなものもでてくるはずだ。最高点を100点とすれば、Aさんは90点とか、Bさんは50点といった数値がつくようになる。それもそれほど遠いことではない。この偏差値があれば、たとえば、プレミアムカードを出そうというときには、高い偏差値の人だけに募集をかければよく、優良顧客を囲い込みやすくなる。さらに銀行は高得点の人には住宅ローンの金利を低くできるし、低い点数の人には金利を高くしてリスクを取ることもできる。

他にも金融商品のマーケティングにこの偏差値は使える。点数毎に売り込む金融商品を変えれば、効率よく営業ができる。富裕層を狙おうとするなら、点数の高い人々を選んで集中的に有利な金融商品を売り込めばよい。収益も効率よくアップするだろう。さらに、いちいち審査する必要がなく、偏差値を見れば、その人の信用度を一目で判定できるので、個人審査を苦手とする銀行担当者にとっては、欠かせないツールになるはずだ。また、こうした信用重視社会では、金利が変動するようになるから、カード利用者もそれなりの対応を迫られる。

偏差値が低いと住宅ローンの金利があがるから、クレジットカードの枚数を減らしたり、返済を遅れないようにするといった防衛策をとる必要がでてくるだろう。つまり、クレジットカードの使い方、扱い方が今とは比較にならないほど大切になるのだ。そうなると、どうしてもクレジットカード中心の社会になっていく。金融関係はすべてこの偏差値が基本になるので、カードが最も重要なツールとして脚光を浴びるようになるだろう。